ロックアップ解除について

 2023年7月6日(木)、ソシオネクストという会社の価格がストップ安になりました。株価が高いので、個人が買うにはハードルが高いと思っていましたが、5月下旬頃から連日、日経平均株価の値上がり幅上位銘柄に名を連ねていて、どんどん価格が上昇していくので注目していました。ソシオネクスト以外の半導体関連銘柄も常に値上がり幅上位に名を連ねていました。価格も大体同じくらいでした。

 ただソシオネクストと他の銘柄が違う点が気になっていました。一つは、ソシオネクストは『売り』の場合はデイトレードしかできないことで、もう一つは信用倍率がソシオネクストは異常に高かった(200倍超)ことです。

 売りがデイトレードしかできないということは、信用売りはその日のうちに決済しなければならないから、値幅の低いところで仕掛けてしまうと、値が上がって損失が出ても決済しなければならないということになり、それを懸念する人は『売り』をしないことになる。また『売り』を仕掛けてもすぐ値を吊り上げられてしまう。買えば上がるというサイクルが作られて、瞬く間に価格が一か月で2倍以上になっていた。これは儲かると思って現物では手が出ない人も、信用で買っていたのかもしれない。だから信用倍率が異常に高かった。

 少し恐ろしさを感じていました。そして7月5日(水)の大株主3者による保有株式売却のニュースによって翌日ストップ安となりました。

 株価が高いため制限値幅も大きく、高値で買っていた人はとんでもない損失を被ったのではないかと思う。傍観していて本当に良かったと思いました。

 掲示板を読んでいると、『ロックアップ解除』という言葉がありました。恥ずかしながら、私はまだまだ未熟で知らないことばかりである。何のことだろうと早速調べてみた。

 なるほど。と思いました。『ロックアップ解除』については個々人で調べて頂けたらと思います。ソシオネクストの場合、東証プライム上場が2022年10月12日ですから、180日を過ぎるのは、4月中旬ということになる。この時点では株価は初値(3476,62円)から3倍くらい(10000円)であった。契約上はこの時点でも売ることができる。でももっと株価が高くなった方が売った時の利益が大きくなると考えられます。

 ここからは、未熟な私なりの考えであり、何の根拠もないものであるのですが・・・・・。

 米国のNVDA(エヌヴィディア)や日本でもアドバンテストやキーエンス、SMC、ディスコなどの半導体銘柄が5月くらいから業績を伴って上昇していきました。これに乗じて同じ様に、ソシオネクストも価格が上がっていきました。会社の規模や発行株式総数、時価総額も全く違うのにとても不思議に思っていました。

 ソシオネクストの大株主としては、既にロックアップ解除の期限をクリアしているので、いつ売り出しても違法ではないが、どこで売却するかを常に探っていたのではないかと考えます。利益を最大限にするために、上がるところまで行こうと。そして、7月7日と10日に主要なETFが決算を迎え、分配金捻出のための益出しが行われるため、組み入れ銘柄の株価の下降が見込まれる。それに伴ってソシオネクストの株価の下降が起こる前に売却を決めたのではないか。

 調子よく上昇してきて急にストップ安になるとは誰も想像していなかったことだろうとは思うけれど、よくよく考えてみると、最初から大筋のシナリオがあったのかもしれないと考えてしまう。その一つのポイントが今回の場合は『ロックアップ解除』ではないかと考える。

 新規上場企業については、『ロックアップ解除』の条件を理解してそこをを意識しながら取引しなければならないと学びました。